2018年にブランド設立15周年を迎える【Naturalbicycle(ナチュラルバイシクル)】。2003年、北海道・札幌を拠点に発信するストリート・アウトドアブランドとしてスタートしました。北海道で生まれ、北海道で育った、フロム北海道ブランドです。ブランド名のバイシクルは決して自転車乗りの為の!という意味ではなくって、車よりはゆっくりと、歩くよりは少し速く世の中とつき合っていこうね、といった象徴として名付けられました。自転車のような自然なスピード感、そこから得られる豊かな視界・発想を基盤に、独自のフィルターを通した様々な活動を展開されています。 北海道最大級のフェス・RISING SUN ROCK FESTIVAL in EZO(※)のスタッフTシャツ、オフィシャルTシャツデザインなども手掛け、 北海道で地道に活躍するアーティストや作家さんなどとの関係性も深く、まさに大地のブランドと言えます。そんなNaturalbicycleのデザイナー須見さんに、お話を伺ってきました。
※RISING SUN ROCK FESTIVAL in EZO …
毎年夏に北海道小樽市の石狩湾新港樽川埠頭横 野外特設ステージで開催されている国内最大級の野外オールナイトロック・フェスティバルイベントの1つ。
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2018年にブランド設立15周年を迎えるにあたり、これまでの14年、北海道・札幌でずっと服作りをされてきたとお聞きしていますが、ブランドって東京や大阪などの大都市でやられている方が多いと思うんです。 札幌で作っていて、不便に感じることはありますか?(取材当時:2017年12月)
パタンナーや縫製工場など、何をするにもリソースがないところですかね。 配送にも時間がかかったりと、デメリットの方が大きい中で逆境に立ち向かうという気持ちで続けてきました。
東京に出たいと思ったことはなかったんですか?
ブランドのアイデンティティが北海道でやっていかなければ意味がないというものなんです。
リスクが高い、デメリットが多い北海道で続けていかなければ意味がないと思っていたので、出たいと思ったことはないですが、出ないとこの先続かないと思ったことはたくさんありますね。
色んな人に、東京に出なさい!と言われてきましたが、頑なに断り続けてきました。笑
自分を貫かなければいけないと思ってきました。
逆に札幌で続けることの良さというのは、どうですか?
良さはたくさんありますね!
札幌は都会すぎず田舎すぎず、ちょっと行けば自然がたくさんあるのは他の地域にはない感覚だと思うんです。
RISING SUN ROCK FESTIVALなどのフェスブームのカルチャーも増えてきたので、そういう点はメリットだと思います。
札幌には絶妙な感覚があるんですね。
14年という長い間続けてきて、変遷はありましたか?
ファッションのジャンルが若干変わりました。
かつてクラブにアウトドアブランドを着ていくという流れがあり、そういったブランドを作りたいと思っていたのですが、クラブよりもフェスなど、より解放的な所に着ていくデザインにする、という変化がありました。
より楽しさが伝わるような服作りに変わっていきましたね。
では、【Naturalbicycle】を語る上でRISING SUN ROCK FESTIVALは欠かせないと思うのですが、オフィシャルスポンサーとしてどのようなことをされていますか?
ひとつはスタッフTシャツのデザイン。
北海道のブランドとして北海道のフェスの力になることは、地域として貢献していることにもなるので、スタッフTシャツはずっと作りたいと思っていました。
そして、オフィシャルグッズTシャツ(※)のデザインもさせていただいています。
加えて、RISING SUN ROCK FESTIVALの会場で【Naturalbicycle】のブースを設けさせてもらい、普段作っている商品も買ってもらえるようになっています。
※オフィシャルグッズTシャツ … ライジングサンの公式グッズ販売店で購入出来るアイテム
会場でも【Naturalbicycle】のアイテムが購入出来るようになっているんですね。
そうなんです。 イベントに貢献するということは、お客さんにきてもらえるというメリットにもなるので、貢献の幅が広がって良かったです。
RISING SUN ROCK FESTIVALのオフィシャルスポンサーを務めることが良いきっかけだった訳ですね。
では、そのスタッフTシャツやオフィシャルグッズTシャツをはじめ、グラフィックプリントをメインに展開されてきたと思うのですが、よりパターンやディテールにこだわった【Made in JAPAN series】を2017年の春にスタートされていますよね。
これまでとはまた特色が違うと思うのですが、これをスタートさせたきっかけは何だったんですか?
14年札幌で続けてきて、洋服と色々な関わり方をしてきましたが、原点に立ち返ろうとした時に、日本製のものを札幌の工場で作りたいと思いました。
自分たちが作りたいものを工場さんとしっかり話しながら作っていきたいなと思ったのが始まりですね。
先程、クラブに着ていくよりフェスなどの外向きに着ていく洋服に変わっていったと仰っていましたが、【Made in JAPAN series】にも同じような変遷があったりしますか?
そうですね。フェスやアウトドアによりすぎず、外に出かけていく街着としても着てもらえるように作っています。
ちなみに、1シーズンに対してのテーマは決めていますか?
テーマは今までは決めていたのですが、一昨年から決めていません。
1シーズンに対してではなく、ブランドとして今年15周年を迎えるにあたり、”札幌 北海道 日本”の一貫したテーマのもと、世界にお客さんを作っていきたいと考えています。
日本古来の服をモチーフにしたり、北海道の形をデザインに入れたりしています。
『サムエジャケット』なんかは、まさに「世界がターゲット」というのを強く感じますよね。
北海道・札幌でずっと続けているブランドって正直めずらしいと思うんです。
だからこそファンの方もたくさんいらっしゃると思うのですが、【Naturalbicycle】を着ていたり、これから着る人に伝えたいことはありますか?
…………特にないですね!笑
私達は自然体で洋服を作っているのでお客さんにも自然体で着てもらえたらいいと思っています。
なるほど。笑
今日はどうもありがとうございました。